― 生徒会室 ―
[少なくとも学長の躯に縋った春の姿を思えば
頼りにしていた存在に置いていかれる苦しみは
イヤというほど伝わっていたから――。
辞世の句を認め覚悟していた学長に対する思いは複雑だった。
学長の立場が理解できぬほど子供ではないから
あの時は口にはしなかったのだけど]
死ぬなよ――…、副会長殿。
[血に濡れ、幼馴染さえ失った彼に向けるのは酷な言葉と分かっている]
此処に居る誰も、キミの死なんて望んでいない。
あの子の必死な声が聞こえていたなら……逝くな。
[誠の生を望んだ友梨をチラと見遣り小さな吐息を零した。
学長の思いの籠もった走り書きが必要なのは自分ではなく
重き役を負った彼こそと思うのか其れを彼に託し傍を離れた**]