―階段― ね りー、……。[名前を反芻した。口を閉じる。もう一つの答えは無かったけれど、気にした様子はない。暫くして口を開けば、またぱり、と音がして。繋がりを失した欠片が落ちて消えるのは、未だ彼女の側からは見えないか]あア。ねりーさん、か。[相変わらずの声で、口調だけは少し面影を取り戻した。けれど浮かべる笑みは、外見のお陰で醜悪なものにしかならない]