[鈍い光を放つ鉄の塊。実物を見る機会など無かったから、最初は良く分からなかったのだが。]・・・・それ。[正体に思い至って、息を飲んだ。が、アーベルが姿を見せると意識はそちらを向く。]お帰り、ベルにぃ。・・・ユーリィに逃げられた。[壁の音は聞こえなかったか、聞いていなかったか、兎に角少女の耳には届いていなかったから、掛けたのは少し不機嫌そうな言葉だけだった。]