本当に、すみませんでした。[流れる涙をそっと指先で拭う。止まりそうもないそれに少し困ったように]貴女だけは絶対に傷つけたくなかったのに。結局私が一番傷つけてしまいましたね。[“今”を理解した彼女の言葉は重たく。彼はそれに応えたくとも、応えられない自分を知っている]私はまた。貴女とのお約束に頷くことが出来ない。私もまだ許されて良い身ではありませんから…。[そっと顔を上向けると透明な雫を唇で受け止める。両の瞼にも唇で触れて、三度その唇を合わせる]ですが。