とはいえ、仕方あるまい。普通の回復魔法は一切受け付けんのだから。『それは、わかっていますけれど……あら?』ん? どうした?[はたり、と尾を振りながらの水晶龍の言葉は不自然に途切れ。それを訝り、紫の瞳が見やる方を振り返るより僅かに早く、名が呼ばれた]ああ……どうした?[見上げてくるまぁるい瞳を見返しつつ、やや、首を傾ぐ。返して紡がれたのは、謝罪。深々と頭を下げる姿に、ほんの僅か、笑みが掠める]