誰の事を思い浮かべたんだか。
[はぐらかされた答え>>574を思い小さく独り言ちる。
ゆらりゆらり尾を揺らしまた目を閉じる。
この爪も、牙も、もう人を狩る事は出来ない。
命を繋ぐ為の糧も必要ない死者となったのだからそれも当然]
託した願い、なんて、負う必要ない。
生きようとしてくれただけで、十分だ。
[面と向かって言いそびれた言葉をまたぽつりと零す]
お前には守ってもらったよ。
――…人としての、尊厳。
[正体を知るアーベルならば
皆の前で告発するという選択肢もあっただろう。
それを選ばなかった事に感謝の念さえ抱いたのだけど]