「……真にそれを、望むなら。 追っておいで、たまゆらのこ。 すべて見守り、見届ける。 桜の定めを厭わぬのなら」[間を置いて、向けられたのは歌うような言葉]すべて見守り、見届ける……桜の、定め?[訝るような、声。桜の童女は薄く笑い、す、と手を差し伸べる。その上にふわり、現れるのは小さな鈴。それは、童女の手から跳ね、こちらへと飛んでくる。逡巡は、短く。伸ばした手で、それを掴んだ]