直ぐに起きれるわけが無いだろ───。
[笑われるのはこの際仕方がない。
見慣れないものがついてるんだからな。
起きる話に関しても、直ぐに起きれるものじゃなかったんだから、仕方がない。
……あのままゲルダの声がなければ、こうして起きることも出来なかっただろうから]
思い出したっつーか。
……まぁ、さっきの出来事だから、な。
[問いに歯切れ悪く答える。そう、さっきのことだったから、余計に。
何で耳と尻尾が出てるのかは分からなかったけど、然したる問題でもなかったから、オレは放って置くことにした。
可愛いとか何とか言われたけど、それも何を言っても変わらないだろうから、糸目になっておいた]
痛みは、………ない、けど。 ある。
[物理的な痛みはもちろん無い。
そんなものとはもう無縁になったから。
けれど、別の痛みはどうしても残った。
オレは緩く握っていた手に力を込めると、ゲルダを自分の方へ引き寄せようとする]