[空を仰ぎ見て、空気を胸いっぱいに吸った。
スカートが、パフスリーブが、右手の鎌が、風に揺れた。
鎌を目の前に持ってきて刃に映る自分の顔をじっと見つめると、映った顔の目の中に鎌、その鎌の中に彼女の顔が、更にその目の中にまたボ彼女が、と吸い込まれそうになる。
ふと落ちた影と刃に映る自分の後ろに動く影を見つけて顔を上げると、バサ、と音を立てて大きな怪鳥が頭上を旋回しているのが見えた。
旋回は徐々にスピードを早め、怪鳥の目は彼女を捉える。
それを見て彼女の口元はにんまりと笑みを作った。]