―菜園―
[手を差し出したまま、時が立つのが非常に長く感じる。
動悸は激しく収まらず、ただ緊張と思いの募る時間。
驚きの言葉の後に続く言葉、耳に聞こえるその言葉小さな言葉だったのかもしれない、
けれども自分にとって、それはとても大きく、何よりも心に響くもの]
ディルスタンさん……
[手に感じるぬくもり、その名を呼びながら見上げて、目からは涙が零れ落ちていた]
あれ…、すみません…うれしいはずですのに…。
[微笑を浮かべる、愛しい彼を見上げながらわずかにぼやける視界]
うれしすぎて……
[そっと、彼の手の上に添えるように重ねた自分の手を、しっかりと握る]