― 東殿・回廊 ―
[ 忙しなく動き回るギュンターを呼び止め、得られた情報は、西殿で聞いたものとさして変わりはなかった。
ただ、今後の方針として、内側よりの強化、干渉へと干渉する手立て、もしくは「繋ぎ」と成り得るものを捜すこと――それらが挙げられた。結局の所、仔細が判明していないために、無難な案ではあれど妥当でもある。他の者にも同様の事を告げるのだろう。皇竜王の側近は、端的に述べるとまた執務へと向かった。]
……また厭な間に、事が起こるものだ。
[ 声に苛立ちが含まれるのが分かった。
己の顔の右半分に手を当てる。感触は、何とも言い難い奇妙なものだ。
駆けはせねど早足に歩を進める途中、影竜王からの通信が届いて足を止めた。]