[もう一度強く抱き締めて、再び抱き上げる。家の中へと入り、寝台に彼女を座らせて]例えそれを認識することができなくても。例え笑みを浮かべ続けることが出来なくても。貴女が私に見せてくれた笑顔。それだけは忘れないとお約束します。私の全てが消えるまで、貴女を忘れることはしないと。[膝をつき、視線を合わせて言った。翠と暗紅の混じる双眸は、類稀なる紅玉を見つめたまま]そしてもし、一つだけ我侭を許していただけるなら。貴女の全てを憶えておかせていただけますか…?