……ようやく、『私』であれる場所が、見つかったん、だから。
そこから、無理に引き離さないで……。
[離れてしまったら、同じものは二度と得られないと思うからこその願いを小さく、ちいさく紡いで。
ふる、と軽く首を横に振る]
……気、鎮めないと、です、ねぇ。
[ぽつ、と呟いた後、旋律ひとつ紡いで路を開く。
こんな状態では、どこにいても簡単に異変を気取られるような気もするけれど。
今は一人でいたいし、何より。
この場に微かに残る光の残滓が、今はほんの少しだけ、苦しいから。
森の奥、川の辺へふわり、と跳んで。**]