……傷つくことは怖くないよ。だけど、忘れられてしまっても笑えるほど強くも無いから。―――ほへ?[涙を唇ですくわれ、その体が宙に持ち上がり、次にミリィが移動した先は、17年間という月日を過ごした家の寝台の上]……。[そして、体に幾度となく触れた唇から紡がれるのは、約束と、願いの言葉。その願いの言葉を言ったときのオトフリートの真剣な顔にちょっとだけ笑みが零れた]―――ありがとう、先生。こんな私を愛してくれて。だけど。今のこの体はもう借り物なんだけど、それでも、大丈夫かなあ?