[荷物を纏めるなどさせられないと、執事から言われたものの。
時間をかけたくないと言えば、渋々ながらも引き下がってくれて。
フォルカーを彼に任せ、自分は宿へと戻っていった。
玄関先には、白猫がひそりと佇んでいて。
その姿を見ると、彼女と目線を合わせるようにしゃがみこみ問いかけた。]
ミーレちゃん…誰かを、待ってるの?
…でも、ごめんね。もう、エーリッヒさんは、いないの。
エーファちゃんも、ナターリエさんも。
皆、守れなかったの。…ごめんね。
…でもね、ミーレちゃん。
もう、終わったの。
力があった人も、人狼だった人も、皆、死んでしまった。
だから、もう…私達は、此処から出ていくの。
…貴女も生き残った一人だから、置いて、いきたくないの。