だから…一緒に、おいで。一緒に、生きよう?
[そう言って手を伸ばし、白猫をそっと抱きしめた。
白猫は、どんな反応を返したろうか。
しばらく彼女を抱きしめたまま、そっと離れて。]
…ちょっと待っててね。
荷物、みてこないといけないから。
[そう言って、白猫を置いて中に入る。けれど白猫もついてくるなら、それは止めはせずに。
真っ直ぐに自分の使っていた部屋へとは向かわずに、まずは広間の机の上に置かれた紙袋を手にとって。
それから二階に上がり、事切れたナターリエとライヒアルトのいる部屋へ入った。
二人に黙祷を捧げた後に、首を捻り切られたナターリエの身体に手を伸ばし。
銀の十字架を拾い上げ、サイドテーブルに置かれていた聖書の上に重ねた。
その後も、それぞれの部屋に入り同じように黙祷を捧げたが。
ゼルの部屋に臨んだ時は、どうしても。彼に向き合う事が出来なくて、扉越しに祈りを捧げた。]