[マクシーム、イヴァン、イライダ、レイス、キリル。
旅人を含め六人の死者を出した深い山の中の小さな集落。
森に隠された紅花の広い花畑がある村で起こった事件。
――それは人狼の仕業であるとされた。
後日、先にあげた犠牲者たちは丁重に村の墓地に弔われた。
犠牲者にはキリルも含まれる。
村人が人狼に立ち向かいその人狼を退治した。
その死体は森に埋めたと占い師である男は言う。
けれどその死体を見たものはいない。
問う者があっても男は微かな笑みを湛え言う。
“赤い月が人狼を惑わせたように
人狼の血が人を惑わせるかもしれないから”
事の真相は巻き込まれ生き延びた四人のみが知る
決して語られる事のない秘密**]