─ 廊下 ─[奥の部屋を出て、廊下をふらり、歩く]……死んだらどうなるか、なんて。あの時は、考えもしなかったっけなぁ。[あの時、とは二年前。まだ色んな意味で『純粋』と言えた頃。付き合っていた、年上の幼馴染が、自殺した。その少し前から、進路とか家庭事情とかで色々と悩んでいたのは知っていて。少し、思い詰めがちなのが心配で。けど、自分もやっぱり進路やら何やらで忙しなくて。ようやく時間ができて、顔を見に行ったら──彼は、一人暮らしのアパートの部屋で、あかに沈んでいた]