ほんとに、もう……。
あんまり、心配かけないでくれると、嬉しいんだけどな……。
[小さく呟きつつ、料理にかかる。
姉たちにいぢられていたのは伊達ではないのか、手際は決して悪くはないようで]
……もう、これ以上は……嫌、なんだから、さ。
[ぽつり、呟いて。思い返すのは、5年前。
分家の一人娘だった従妹のこと。
たまに遊びに来るといつも自分の後をついて来て、三人組の中に入りたがって。
幼馴染以外には上手く心を開けず、慕われる事に慣れていなかった自分は、どこか、彼女を持て余していて。
……身近に、年齢の近い者が少ない従妹が、自分に拠り所を求めていたなんて事には、幼さもあって気づく事ができなかった]