─ 到着直後 ─
いきてほしい…。
[そう言われて>>492自分も口にして繰り返す。]
うん、おれも、ねーちゃんに生きててほしかった…
ねーちゃん、ルーねーちゃんと、会えたらいいなって…
[父親の言葉があったからとはいえ、あの時、迷って悩んで、確かに自分はノブよりエリカを選んだのだから。
じゃあにーちゃんは捨てて良かったの?と、意地悪に心が言うから途中で一度、違うと、振り払うように首を振った。
そうだと願ってくれたひと、と言われて思い描くのはまだ鮮やかな父親の背中。
そしてリンクするように思い出す、溶け出して消えた父親。
いつから偽者だったのか、どこまで偽者だったのか、今はまだわからない。]