[そして、そんな小さな思いの行き違いが、魔を引き寄せやすいなんて事は、知る由もない事で。……確か、あれは祭りの前の夜。遊びに来ていた従妹が、どこにもいないと。末姉に知らされて。皆で手分けして探しに行った。……探し回って、たどり着いたのは、神社の境内。従妹は、そこにある桜をじっと見つめていた。葉桜の季節のはずなのに、満開に花開いた桜──丁度、今の校庭の桜と同じように、それは、薄紅を散らして]