[自身と青色を隔てるように、氷柱が形作られていく>>615]
ヴィノール……
[その向こうから微かに聞こえる声に、瞳を伏せる。
悔しさともどかしさに歯噛みして]
うおおおおおっ!!
[雄叫びと共に全身に炎を纏い、目の前の氷柱を、敢えて避けずに真正面から激突する。
額と腕にびりびりと衝撃が走った]
くっ……これではまだ、足りない……のか……
[僅かに散った破片が炎に融かされ湯気を立てるが、肝心の柱が崩れる様子はない。
よろめくように一歩後退すれば、ぶつけた額からじわりと熱いものが滲んだ]