アーベル……?
[声をかけられ、頭に置かれる手、振り向く自分は涙やらで汚れてあまり見せられたものじゃなかったかもしれない。
行って来るというアーベルを見送り。
自分の体を抱くようにして、気持ちが悪い、皆平気で殺していたように見えたので、自分にも、そう思っていたのが間違いで]
苦しい……
[呟く声はどこにも届かず、しばらくの間はそうして、まだ幼い心には重い重圧に押しつぶされそうになりながらいるだろうか。
しばらくして、ブリジットが誰かと話している気がする。
どこかへ去っていくのだけは、なんとなく見えながら残ったヴァルターはこちらと死体とを見比べていた。
その視線が、とても痛く、耐え難いものに思えていた。
それから後、自分が両親に保護されるまでにその心はどうなっていたか**]