え、と。
確か、ユリアン、だっけ。
なに、してんの?
[確かめるように名を呼んで、問いを重ねる。
問いに返ったのは、どんな答えだったか。
言葉少ない少年の意図を拾うのは、ちょっと大変だったけれど。
いつも引っ張りまわされている相手が女ばかりだったからか、歳の近い少年への興味は尽きず。
折りよく母が焼き上げたケーキでの、お茶の時間に強引に誘ったりしながら、また話そうね、と言って別れて。
その内、自分からも遊びに行くようになったりしながら。
それまではしなかった単独行動の理由を幼馴染たちに話し、彼女らのところに連れて行くようになった頃には。
既にユーリ、という愛称を勝手に決めて呼んでいた]