― 生徒会室 ―
[横たわる誠>>613のくちびるから声が零れた。
微かな安堵の入り混じる複雑そうな面持ちで名を紡いだ彼を見る。
薄く開かれた彼の眼に映り込む景色は知れない。
朧ながらも届いた問い掛けにゆるく頷きを向けた]
――…無事、だよ。
死に掛けたキミ以外は、ね。
[続く声には微苦笑を滲ませて]
嗚呼、当然だ。
[再び沈みゆく意識にそれが届いたか如何か。
止血をしたとはいえ病院に運び輸血する必要があろうか。
佑一郎は徐に懐から携帯電話を取り出す。
理不尽なゲームは終幕となったか圏外の表示が消えてアンテナがある。
親の懇意である小さな病院の医師なら融通が利くだろうか。
何度目かのコール、その後短い言葉を交わし誠を治療する為の手筈を整えた**]