仮にも魔である者が、冗談でも荒事を好まぬなどと――愚かな。何処まで、人間に染められている?[突きの為に踏み込んだ間合いから、即座退くには厳しく。繰り出される切っ先が、右脚へと紅い線を刻み込む。小さく、舌打ちを零して。ぐ、と突きの勢いを殺すと、身体を沈めた相手へ、斜め下へとそのまま刃を振り下ろす。先ほど削った肩口へ、更なる深手を負わせようと。]