俺だって思いもしなかったよ。
せめても麓で、村に戻れる範囲にいれば、酷い苦労はさせないで済むかと思ってたのにさ……。
[自嘲気味に竦められた肩>>631をじっと見る。
少女は冬一つ抜けただけで女になっていた。
気づけたけれど気づかない振りをした。表立っては何も言われなかったし、問いかけられるような話でもなかった]
……そうだな。頑張ろうともしているようだし。
親父が連中より先に来れれば、少しは助けにもなれるだろうけど。
どんなもんだか。
[連中とは結社の正規構成員達のことになる。
父親と結社との繋がりを自分がブリジットに話したことはないが、彼女は果たして知っているだろうか]