さて。何処まででしょうね。荒事以外にも、愉しみが増えたもので。[浮かべた笑みのいろは相手に見えることはない。風切りの音を聞くと同時に、右へと身を捻りながら強引に地を蹴る。剣を持つ手の力を緩め、唇が何事かを囁くように動いた。黒の刀身はその身を解いて幾数もの鋭き花弁へと姿を変え、蒼の憑魔の目を眩まさんと舞う。刃は肩よりも下、腕を裂くも致命傷にまでは至らない]