[転た寝から目を覚ます]
ん……
[ゆっくりと身を起こした。
リビングではなくて、弟の部屋。
隼が、様子を窺うように首を傾げていた。
しまった、と口の中で呟いて、ベッドの端に乗せていた自らの頬を擦る。腕を枕に出来なかった所為で、皺の痕がついている気がした]
今何時かしら……
食事の準備、しないと。
ハルフェ、後、お願いね?
[夢など忘れたように普段通りの調子で呟くと、シーツを正し椅子も戻して、なるべく音を立てぬよう部屋を出ていった]
[寡黙な“お目付け役”は姉弟を交互に見て、片翼を少し広げただけ*だった*]