―廃墟―
おねーさん……苦労人だったんですねー。
[思わず同情というか、しみじみと言ってしまったり。
それこそこの先は他人事ではなくなりそうな状況だったが]
そうなんですけどー。
です。常に全く離れずに生活してくのは無理だし。
巻き込んじゃった時、護り切れる自信も無いんですよ。
そういうの、得意じゃないんで。
[少しの沈黙。やがて出された提案に空色がまん丸となり、三角耳はピクンと伸びた]
ほわ?
え、あ。うん。頼めるもの、なら。
[有名な名だ。その娘であるとは知ってもいたけれど。
そうくるとは思わなくて、空色はじぃぃと飴色に注がれた]