何でも、か。[翳される手も、蝶の羽が翻るよう。 現れた白を目で追って、近づけばまたそろりと手を伸ばすのだが] そうか。お前は、この世界の記憶……の番人とでも言うところか。[扇子のない笑みは、ある時よりずっと淡く脆く思えた。 僅かに視線を泳がせ、戻し見て] ……俺は、次会うお前が今と同じ個かどうか、見分けることができるかな……[小さくこぼした]