[林檎の樹での話しの少し前。
解放された皆から空の籠と行方不明の土産話を受け取って、婆は帰路に付いていた。
先導して歩く薄茶猫はぴんと尻尾を立てて凱旋気分]
それにしても皆が無事に戻って来てよかったさね。
坊も…反省してちゃァんと責任とったら許してもらえるらしいしねェ。
[その罰内容がまだ決まってない――決めずに妖精王がどっかに消えてしまったのが問題なのだが]
まァ…、ニ、三日たっても出てこなきゃまた菓子で釣るかねェ。
[言いながら扉に手をかけた瞬間、足元でティムトの唸り声。
不思議に思う間もなく優秀な番猫はキッチンへ矢の様に駆けて、ぎにゃーふしゃー!の大騒ぎ]