―追想/求婚の日―
[それはとても穏やかに晴れた日の事。
会いに行くからというコエを聞いて、扉の前で待っていたのだが
当のお客さんはなかなかやってこない。]
……遅いなぁ。
[何度か大丈夫?とコエをかけ、
それに返事は返ってくるから、倒れたわけではなさそうだけど。
ようやく姿が見えれば、明らかに様子がおかしい様が見て取れて
心配そうに大丈夫?とこちら側でも尋ねれば、不安そうな赤が大丈夫と答えながらも逆に尋ねてくる。]
父さん?ええ、起きてるけど…。
[珍しく父に用事でもあるのかしらと、不思議そうに首を傾げたが。
請われるままに父の寝室へと案内する。]