[泣きじゃくる声>>629がする。零れる涙の量も、きっとあの時と同じくらいなのだろう。それでも少し躊躇う僕の手を、妹が握り締めた。縋るようなその仕草に、僕は未だ彼女の兄である事を許されているらしいと知る。]……大丈夫だ。[だから僕は片手を外した。手探りで妹の髪に触れ、辿り、頭に触れる。]大丈夫だから。きっと。[随分と縮まった身長差。昔より高い位置にある頭を撫でながら呟く言葉は、14年前と同じ、何の根拠も無いものだった。だけど確かに、その通りになったのだ。]