[気づけばまた風が変わった。>>634手はいつしか離れていて、妹は愛しいひとの名を呼ぶ。嗚呼もう行くのかと、一歩下がろうとし、]……ッ、……キリル。[抱きしめられる。目を瞠る。少しだけ泣きそうになった。真っ暗闇が一瞬だけ明るくなって、目を腫らした、悪戯めいた、妹の笑みが見えた気がした。]