[ところで始めに父とゼルギウスを対面させた時、父の眉間に消える事の無い皺が増えたのは余談であるが。その時まるで兎のように見えたゼルギウスと、今の状態のゼルギウスの様子は少し近いように思った。そして、搾り出すように全力で叫ばれた言葉に。二人してきょとんとした顔で叫んだ当人を見た。……おそらく、親子揃ってそんな顔をしたのは、最初で最後だと思う。外の小鳥の声がやけに綺麗に聞こえるなぁ、などどどうでもいい事が頭を掠めた。]