…ま、俺の話が聞きたいなら、外に出てからいくらでも話したげるからさ。とりあえずキリルちゃんも早くここから出…[出ないと、と言いかけて。ぎゅ、と抱きつかれ、言葉が止まる。そのまま続けられた言葉を聞いても、声が返せない。自分の正体を知った上でこんなことを言われたことなど、今までになかったこと。だから、咄嗟に返せたのはただ、慌てたような頷きだけで。そのまま呆然と、ふわりとした足取りで出ていく彼女の背を見送った。**]