……あのね。
エーリ、遠い所に行っちゃったのよ。
貴女はまだ行っちゃいけないところに、行ってしまったの。
[子猫が警戒する様に、あの子ちゃんと躾けてたのねなどと思いながら、悲しげに微笑んで]
ごめんなさいね。
貴女の元に、エーリを返してあげられなかった。
[後悔の言葉は、音にすればそのまま痛みになる。
そういえばアタシ、泣くことも忘れてたわねと胸の内で呟くと同時、雫が零れた。
その雫を、警戒して喉を鳴らしていたはずの子猫が掬いにきて、思わず笑みが落ち。
いくつか新しい雫も零れさせながら、子猫を手で包むように抱いて、立ち上がり]