―回想―[ヘルムートに荷物のことを訊ねるハインリヒの気遣いに気づけたかどうか。口数はまだ少ない。繋いでいる手は温かい。力が籠ればふと顔をあげて紺青の眸を見上げもした。>>6526の部屋でオトフリートの声を聞き>>647ますます絡む言葉に眉を僅かに寄せた。]貴方、…――[けれど。カルメンと聞けば思い出した彼女の凶行に揺さぶられる記憶。]――なんでもないわ。 [もし何かと訊ねられればそう答えたろう。]