[もうもうと煙が立つ通路。その煙を払うことも、咳き込むこともなく立ったままで。不意に煙の奥から瓶が飛んできた。瞳はそれを捉えたが、避けることもせず。瓶は紅へと吸い込まれる][爆音。そして振動。被害を受けた壁や天井から、ぱらりと瓦礫が落ちた][濃くなった煙の中。ゆらりと紅が揺らめく。大きくブレたその輪郭が、ルージュへと形を戻していた] ムダ、よ。 今のアタシは、影そのもの。『力たる”俺”が顕現しつつあるために。 力たる”俺”と融合しつつあるために』