― 道具屋 ―
[双方、対の花に向けられる視線。
話の中でのみ知る互いの花に見入るのは
実物を見て確かめたかったという思いが強い。]
偶然――、とは思うけどさ
待宵草が繋いだ縁、だけど……、
[一時のものと知れるけど。
心の声は口に出さぬまま続ける。]
僕に対の存在が出来るなんて思ってなかったから
なんか、嬉しかったんだよね。
[花にたいして、対にたいしての思いをぽつりぽつりと漏らした。
クレイグの口から零された想いがこれまであった堰の綻びを感じさせ
少しくらいは素直に想い零すのも良いかと思わせてくれた。
年上だからと己の事は深く語らず、話をきき語らうが常。
こころの柔らかな部分に触れる話題は滅多になさない。]