[水晶龍と盟を交わした後も、自分を伺う存在があるのは感じていた。
ただ、それはこちらに働きかける事はなく。
とはいえ、こちらもどう働きかければよいのかもわからず。
その存在を誰にもいう事はせず、宮廷魔導師の元、力を制御する術を身に着ける事に日々を費やしていた。
それまでは無意識に呼び寄せていた魔獣の仔たちも、年を経るに連れて呼び寄せや引き寄せを制する事ができるようになったものの。
水晶の如き鱗の龍が常に傍にある事で、『化け物憑き』の評価が消える事はなかった。
その事は、表層上は気にする素振りも見せなかったものの。
制する術を身に着けていく中で、それまではなかった悩みを生じさせてもいた]