クレイグの話を聞いたのは聞きたいと僕が思ったからだよ。
でも、その言葉に甘えてもいいかな。
[お返しなんて考える必要がないくらいに
エトはクレイグにたくさんのものを貰っていると思う。
道具屋として己に出来る事を教えてくれたのも彼だった。
こうして会いにきてくれただけで十分と思うのに
共に在る時間を少しでも引き伸ばしたくて願いを伝えた。]
頼りになったなら嬉しいね。
…………、……一方的じゃ、ないんだけどなぁ。
[最後は消え入りそうな小さな呟きとして零れて。
差し出された花弁の右手を印なき手で握り、腰を上げた。]