『彼らはいずれも無邪気な笑みを口元にたたえ、 まばゆい、縫い目のない魂を持っている』[カルメンがこちらに来る気配を察すると、ページを繰る手を止めた][目を上げて、失礼にならないようカプセルの中を整えると横向きに腰掛けるよう姿勢を変えた]ああ、これですか?リルケという人の、詩集です。もう、何度も読んでほとんど暗記をしているのですけれどもね。やはり、見ていると落ち着くので。[体をずらし、彼女が腰掛けられるスペースを空ける。 ぱたりと閉じたその本を差し出しながら]かけられますか?