[彼女の前に跪いて、呼びかける。
その時、彼女に発言者が分かるよう、名乗りはしない。
もう、自分という個はなくなるのだから]
ずっと、見てますよ。見てます。
[彼女の頬を、小さな風がそっと撫でた。
まるで、親指で、励ますみたいに。
にっこりと、笑いかける]
[彼女の隣のノーラ。ブリジット、ヘルムート。
一人一人、丁寧に前に立って礼をする。
寄り添うカップルたちには、目を細めて]
[肩のリスは。周囲の魂はどうしていただろう。
まだ形を持っていたなら、ゲルダの魂をそっとおろしてその背を、尾を、撫でた]
ありがとうございました。