[こちらを向いたゲルダは視線をさまよわせてる様子で、困ってるように自分には見えた。
なのでその身を離そうと、かけられる声と、服をつかまれる感触に引き戻されて]
ごめん、感情とか、出すの苦手で、うまく伝える方法、思い浮かばなくて。
[ぽつりぽつりと、自分でもこういった感覚は初めてで、
ゲルダの熱をもらったかのような、そんな状態で]
じゃあ、言わない代わりに、もう忘れって言わないって、約束してほしい。
覚えてほしい、僕のことを、ゲルダの中に。
ボクは、ゲルダのことを、忘れない。
この胸のなかに、しっかり刻んでおいたから。
[あの時、ゲルダと離れた時からと、は小さな声で。
親友が見ることがあったのなら、照れてるのがはっきりとわかっただろうか、
ゲルダにそれを悟られることはあっただろうか?]