[名を呼ばれたような気がして顔をあげる。苦しそうな声>>6:+178にもその呼び方にも覚えがある。祈りの為に組まれていた手を解きそろりと立ち上がった]――…ラーイが呼んでる?[あにとおとうとに会えて話まで出来たのだからもう未練はないと思っていたのに――。その声を聞いただけで女の心は騒いでしまう。行かなくては、という思いから行きたくないと思っていた岬へと一歩踏み出した。魂だけの存在と成り果てた故か足は痛まない。気付けば、名を呼ぶおとうとの元へと駆け出していた]