[話せてよかった、嬉しい、と。
返される想いは、自身の内にあるそれと同じもの。
だから自然、象られる笑みは深くなる]
……あ、うん。
話せなくて寂しいっていうのは、俺もあった。
こっち来てすぐは、他に誰もいないと思ってたから……な。
[つられるようにぽつり、と零す。
そうである事を望みながらも、一人きりは辛くて。
だから、他者を求めて呼びかけた。
答えが返って、孤独ではない、と知って落ち着きはしたけれど。
その一方で、声が一方的に届くだけの状況は、どこか寂しいものだった]
ん……わかった。
じゃ、もう言わない。
[ありがとう、と大丈夫。
二つの言葉を受け取り、頷く。
ずっと抱えていた痞えが取れたようで、少し、気持ちが楽になっていた]