[死者に掛ける声もなく。大樹の影にひっそりと彼は立っていた]……全てを詳らかにはせん儂も悪かった。割り切った心算で、割り切りきれておらんかったようじゃ。[全てが終わった後、共に村を護ってきた副長が苦渋に満ちた顔で幹に手を突いた時に初めて、低い呟き声が零れた]死者の名誉を気にする事はない。奴も不運だったが自ら招いたところがある。[最後の犠牲者となったのは、ベアトリーチェを恐れ排除したあの団員だった。因果応報。悲しいとは思うが、そこは冷たくも考えていた]