─Schwarzes・Meteor内研究機関─
スピーグ、戻ったけぇ。
[あれから数日をかけて男は組織へと舞い戻る。所属ブースへと立ち入ると、どっかりとソファーに腰をかけた]
「おや、お帰りなさい。
これで”休暇”は終わりでしょうかね。
首尾は如何でしたか?」
『デッキ』ば手ぇ入れるんは無理じゃった。
腕利きが集まっただけあるけぇ。
「そちらではなく。
私が聞きたいのは参加者の方です」
[男の言葉にスピーグと呼ばれた男性は眼鏡のブリッジを中指で押し上げながらにこやかに言葉を紡いだ。有無を言わせぬようなその言葉に、男は肩を竦めてカードから手に入れた情報を事細かに伝える。誰が勝ち残り、誰が『デッキ』を手に入れたのかまで、男の知り得る情報を全て口頭で伝えたのだった]